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重要なお知らせ

本年の特別公開は、主に期間中の金・土・日・祝日のみの公開となります。
開催期間が変則的になっておりますので、必ず公開日カレンダーをご確認ください。

公開日カレンダーはこちら

開催趣旨

本山修験宗総本山 聖護院門跡

 京都洛東に伽藍を構える聖護院は1090年に創建され、その後、静恵法親王(後白河天皇の子)が宮門跡として入寺して以降、明治まで代々皇族や摂関家が門主(住職)を務めました。そのため、境内の書院や宸殿には、金色に輝く華麗な障壁画などが200面以上伝えられており、この秋の特別公開では120面余を公開いたします。
 また、昨年修復後初公開となった書院を今年もご覧いただけます。この書院は後水尾天皇ご側室の御殿と伝わり、建物そのものが重要文化財として指定されています。

修験教団の画像

修復記念 特別展示

 この度国の重要文化財である智証大師坐像が修復からお戻りになられたことを記念し、2024年10月12日(土)から12月8日(日)までの金、土、日、祝日に特別展を開催いたします。(期間中休止日あり)
 特別展では、大正11年に発見され智証大師坐像の中に納められていた像内納入品(重要文化財)や、円珍自筆の三部曼荼(期間限定展示)などを特別に公開いたします。
 これらは歴史的にも本山派修験にとっても非常に重要な宝物であり、博物館での関係特別展等でしか出陳されない円珍ゆかりの宝物を、仏像と共に間近でご覧いただける貴重な機会となっております。

修験教団の画像

修復後初公開「円珍智証大師座像」

天台宗寺門派の始祖

 智証大師円珍は弘仁5年(814)讃岐国那珂郡に空海の甥としてお生まれになります。第五代天台宗座主、天台宗寺門派の始祖であり、特に大峰、葛城、熊野に修行し高祖役行者の法脈をうけつがれ、修験道に天台密教の思想を導入した本山派修験道(聖護院)の曩祖(のうそ)であられます。
 14歳で比叡山に登り座主義真に師事。非常に賢明で、ほとんどの経を諳んじて唱えること、書くことができたと伝わります。6年間の入唐を果たし、多くの経典等を日本にもたらしました。

像内納入品

 聖護院の円珍像は康治2年(1143)年8月に仏師良成によって作られた尊像で、像背面には長方形の削り込みがあり、その中に入唐求法目録等が平安時代の古代裂に包まれた竹筒に入れて納められていました。これらは像内(胎内)納入品として円珍像と共に重文指定を受けています。
 入唐し日本に持ち帰った経典の目録である円珍入唐求法目録や、仏の境地に到達し一切の智恵を得る事のできる三昧法を記した円珍直筆の如意輪心中心真言観、仏師良成が三室戸寺において園城寺唐院の大師像を模刻しこれらの納入品を門弟の加護を期して奉籠したことを示す像造願文など、多くの文書が本像内に納められておりました。
 これらも特別展にて公開いたします。

円珍智証大師_斜め前

円珍智証大師座像

智証大師像造願文(像内納入品)(重要文化財)

智証大師像造願文(像内納入品)(重要文化財)

七宝宝相華文 錦袋

 七宝宝相華文 錦袋は、今回修復された智証大師坐像の像内に納められていました。円珍所縁の文書三通が斑竹の筒の中に納められ、さらにこの錦袋に包まれていました。
 綺紐(あやのひも)の断片とともに裂として伝わり、唐子をあしらった細い宝相華文で七宝文を繋いでいます。
 これらも全て重要文化財に指定されており、円珍像が修復されるのを機に再現に至りました。

七宝宝相華文 錦袋(像内納入品)(重要文化財)

七宝宝相華文 錦袋(像内納入品)(重要文化財)

復元プロジェクト

 文様を再現するため意匠にこだわり、京都西陣<六文字屋岡文織物 >のご協力のもと試行錯誤を繰り返した末に、格調高い錦の完成に至りました。この美しい錦を使用し、授与品として朱印帳や経本袋を作成いたしました。
 像内に大切に納められていた文書のように、皆様にも大切なものを書き記し、納めていただける品となっております。

七宝宝相華文 錦袋(像内納入品)(重要文化財)

七宝宝相華文 復元布

拝観の見所

120余面を数える本物の紺碧障壁画

 宸殿には狩野派による金碧障壁画120余面が納められており、大玄関から上段之間まで続く金碧障壁画には花鳥や中国の賢人、故事に由来する数々の物語や雄大な自然が描かれています。緑青や朱を使った迫力溢れるものから、墨を主として描いた落ち着きのあるものなどに彩られた素晴らしい障壁画の数々は、仮皇居にもなった格式高い宮門跡ならではの貴重な文化財です。
 ※展示・保護の都合により、一部外されている障壁画があります。

修験道の仏様

 聖護院門跡は日本でもっとも古い修験教団の総本山です。光格天皇より神變大菩薩号を授かった役門正統の寺であり、最盛期には2万5千の末寺を有したとも言われます。
 明治の神仏判然令、修験道廃止令等で廃寺となった末寺の諸仏を多くお預かりしており、修験にまつわる様々な尊像が祀られています。特に不動明王像は平安時代の本尊とは別に室町、鎌倉、江戸時代の尊像が一堂に会し、時代毎の様相の変化を知ることができます。

不動明王の画像

修験道所縁の仏様 本尊不動明王

「三部曼荼」

 三部曼荼は円珍が入唐した際、指導僧より話された胎蔵曼荼羅に関する内容を記した真筆のメモ書きです。メモ書きと言ってもその幅は実に5メートルを超える超大作で、当時仏教を学ぶという事がどれだけ大変な事であったかが見て取れます。三部とは仏部、蓮華部、金剛部からなる胎蔵三部を指します。
 この三部曼荼の発見により、既存の史料には省略されていた部分などが確認でき、これまで解明されていなかった意味不通部分が大幅に解決することになります。
 裏面には円珍が見た夢の内容なども書き記された、非常に珍しい史料です。
 ※文化財保護の為、巻き直しながら展示いたします。

同時開催

伝統工芸士特別展示会

 11月22日(金)~11月24日(日)の3日間、京仏壇・京仏具伝統工芸士会による伝統工芸士特別展示会が同時開催されます。
 ご自由にご覧いただけます。

拝観案内

公開期間
2024年10月12日(土)~12月8日(日)の金・土・日・祝日のみ
2024年10月21日(月)~10月23日(水)

公開休止日
10月25日(金)、11月2日(土)、11月29日(金)
※法務により拝観休止日が増える場合があります

拝観時間
10:00 ~ 16:30
※受付終了は16:00

公開内容
大玄関(狩野派 金碧障壁画)
使者の間(狩野派 金碧障壁画)
宸殿(役行者坐像/不動明王像/蔵王権現像/三宝荒神像/孔雀明王像/狩野派 金碧障壁画)
本堂(本尊 不動明王像(重要文化財)/智証大師坐像(重要文化財)/役行者・前鬼後鬼・ 大峰八大童子像)
書院(重要文化財)(狩野派 金碧障壁画/呉春 絹本着色/松村景文 絹本着色)
【特別展内容】
智証大師坐像修復報告
像内納入品(重要文化財)(智証大師像造立願文/円珍入唐求法目録/銀製舎利容器/斑竹筒/七宝宝相華文 錦袋/如意輪心中心真言観)
三部曼荼(円珍筆)(期間限定)
神變大菩薩 軸(伝 円珍筆)
智証大師画像 軸(画・作者不詳/賛・道晃法親王)

拝観料
大人800円 中高校生・大学生600円 小学生以下無料(要保護者同伴)
※団体15名以上は700円(旅行会社様 団体料金でのクーポン適用不可)

団体様
10名以上の団体様は事前予約をお願い致します。
予約先:京都春秋 FAX 075-231-6420

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交通案内

所在地
〒606-8324 京都市左京区聖護院中町15

京都駅から
京都駅前D2のりばから市バス206系統 祇園方向
熊野神社前下車徒歩約5分

阪急河原町駅から
バス停四条河原町Eのりばから市バス201・203系統
熊野神社前下車徒歩約5分

京都市バス
熊野神社前下車徒歩約5分

お車でお越しの方
特別公開期間中は境内に駐車していただけませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。